メキシコの文化と錬金術が紡ぐクラフトジン「フアニータ = Ginebra de Juanita」のご紹介

JUANITA GIN

メキシコのお酒と言えば、中南米に多く分布するアガベを原料としてつくられる「テキーラ」「メスカル」がすぐ思いつきますよね。現地メキシコでの国民酒として人々の生活に根付いているのはもちろん、ここ日本をはじめ世界中で人気が高い蒸留酒=スピリッツです。

その一方で、ここ数年、メキシコの蒸留酒の世界にも変化が起きており、メキシコならではの素材を使用して「クラフトジン」をつくる小規模蒸留所が創立され始めてきました。まだまだその数は少ないながらも、存在感が増してきていることは間違いありません。

今回の記事では、そんなメキシコ発・メキシコのエッセンスをボトルに詰め込んだ「クラフトジン・フアニータ = Ginebra de Juanita」をご紹介していきます。お話を聞かせてもらったのは、ブランドの現オーナーで蒸留士のディエゴ氏(Diego Diaz del Castillo)。そして、ブランドアンバサダーのフェルナンド氏です。

フアニータブランド誕生のヒストリー

写真左:ディエゴ氏 写真右:フェルナンド氏
写真左:ディエゴ氏 写真右:フェルナンド氏

フアニータブランドの創設者のディエゴ氏。彼は若い頃からお酒を造るのが 好きで、アガベスピリッツなどを趣味で造る好奇心旺盛な若者でした。 そしてメスカルや他のスピリッツをつくる蒸留所で働きながら蒸留士としての経験を積んでいきます。

ある日のこと、親戚の家で遺品整理をしていた際に見つけた1枚の古い手書きのレシピを発見しました。そのレシピは、彼の遠い親戚の JUANA(フアナ)さんの手によるもので、彼はこのレシピを持ち帰り実際にそのジンを再現しようとします。

そして2015年。ハリスコ州グアダラハラに自身の蒸留所「Destilería Jonuco」を設立。そこで、フアナさんのレシピを元にコーンスピリッツベースの蒸留酒を現代に再現することに成功し、2018年8月から販売が開始されます。

メキシコの錬金術の物語 

クラフトジン・フアニータの名前は、フアナさんの名前に由来しています。

スペイン語では、女性の名前の後ろ”A”から”ITA”に変化させて、「小さい」「親近感がある」「かわいい」などのような意味を加えるという慣習があります。JUANAさん = JUANITAとなり、その名がそのままジンのブランド名となりました。

メキシコの公用語・スペイン語においては「Ginebra」は「ジン」の意味であり、『Ginebra de Juanita』はフアニータさんのジンということになります。

フアナさんはアメリカの禁酒法の時代に、禁酒法の影響を受けていたメキシコのティファナで錬金術を用いて独自の方法でお酒をつくっていました。当時の錬金術は医療と密接に関係しており、ハーブを素材とするお酒づくりもその仕事に含まれています。

その錬金術のモチーフはラベルにもデザインされています。シンプルな黄色のラベルの中央には錬金術の象徴としてのフアナさん。そして、メキシコの文化を語るうえで欠かせない「トウモロコシ」が描かれています。

そして「GINEBRA DE JUANITA」のタイトルの下には、主要な錬金術の3つのシンボルが描かれており、それぞれ身体、魂、精神を意味しています。

メキシコ コーンスピリッツ

メキシコのコーンスピリッツ

フアニータのベースとなるスピリッツは、メキシコのアイデンティティである素材「トウモロコシ=マイス」からつくられています。メキシコ人の主食であるタコスのトルティーヤの素材としても国民の生活に深く根付いているものですね。

そのトウモロコシをベースとした「コーンスピリッツ」をジンのベースにすることによって、フアニータはドライな風味を持つジンでありながらも、絶妙な甘さを持つジンに仕上げられています。

世界には無数のジンが存在しますが、コーンスピリッツがベースという銘柄は珍しく、ローカルの素材の強みを最大限に活かしたメキシコならではの風味が魅力的ですね!

ボタニカルとジンの風味

JUANITA Bottle & Cocktail

コーンスピリッツをベースとして、12種類のボタニカルが風味付けとして使用されています。ジュニパーベリー以外は全てメキシコ産で、原材料へのこだわりもかなりのものです。

ボタニカル

ジュニパーベリー、コリアンダーシード、オールスパイス、バラ、スペインカンゾウ、トウモロコシ、ビロードモウズイカ(現地ではゴルドロボと呼ばれ、お茶にして咳止めとしても飲まれるハーブ)、ライム、ダミアナ、カモミール、グリーンバジル、紫バジル

土台にあるのはコーンスピリッツの甘さ。ジンに必須のボタニカルであるジュニパーベリーの風味もしっかりと感じられ、スパイシーさとハーバルが際立ちます。ローズやカモミール由来のフローラルさも華を添え、全体的に風味のバランスが取れたジンに仕上がっています。

そのままストレートで飲んでもその甘さによって飲みやすく、ソーダ割やジントニックも最高の仕上がりです。フェルナンド氏によると、トニックとソーダで割った「ソニック」もオススメで、バジルなどのハーブを添えればさらにハーブ感を感じられる仕上がりとなります。

またメキシコといえば「ライム」が有名ですが、ジンをライムジュースとソーダで割ったジンリッキーも最高ですね!

受賞歴

フアニータは、数々の世界の品評会においても評価されています。その華々しい受賞歴を下記に記します。

受賞歴

2023 World Gin Awards: メキシコ産クラフトジン 優秀賞

2023 International Wine & Spirit Competition: 金賞

2022 San Francisco World Spirits Competition: 金賞

2022 International Spirits Challenge: 金賞

2022 Gin Masters: 金賞

2021 World Gin Awards: メキシコ産モダンジン 優秀賞

2020 San Francisco World Spirits Competition: メキシコ産クラフトジン 優秀賞

2020 New York International Spirits Competition: 金賞

2018年の登場以来、錚々たる権威のあるコンペティションで認められており、メキシコから生まれたクラフトジンはまだまだ少ない状況ですが、その中でも世界でひときわ輝きを放っているブランドと言えるでしょう。

最後に

フアニータジン

ディエゴ氏によると、現在メキシコに存在するジンをつくる蒸留所は25ヶ所。40種類以上の銘柄があるとのことです。テキーラの国というイメージが強いメキシコですが、ジンも次第に国民の生活に馴染んできていることが伺えますね。

トウモロコシなどの素材を使ったメキシコならではのジン「クラフトジン・フアニータ = Ginebra de Juanita」は、メキシコ、ひいては中南米のジンの流れの先導者となることは間違いありません。

ぜひメキシコの文化に想いをはせながら、この素晴らしいジンを味わってみてはいかがでしょうか!

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