ボタニカルって?
ジンに必要不可欠の要素である風味付けの素材全般のことを指します。
ジンに必須の「ジュニパーベリー」を筆頭にして、その他、スパイスやハーブ、
果物の果皮など、香り付けの素材として様々なボタニカルが存在します。
甘さ、スパイシーさ、ハーバル、アロマティックなど、それぞれのジンの個性を左右する大きな要素で、
ボタニカルの組み合わせによって無限の味のバリエーションが生み出されます。
ジュニパーベリー
無数にあるボタニカルの中でも、ジュニパーベリーを使っていないとジンと呼ぶことができない。そんなジン製造において必須のボタニカルです。
ベリーと名は付きますがヒノキ科の樹木に成る木の実で、ウッディーな強い松の香りを持ちます。その甘さとほろ苦さのある味がジンのシンボルであり、長いジンの歴史において人々を魅了し続けています。
コリアンダーシード
コリアンダーは英語名ですが、日本で入手できる「シャンツァイ」「パクチー」と同じものです。エスニック料理では葉っぱの部分が薬味的な存在として添えられていたり、また、実の部分を乾燥させた「コリアンダーシード」がインドカレーのベースとなるスパイスとして使われることも多いです。
シードはジンのボタニカルとしても非常に多く登場して、柑橘の様な爽やかな清涼感がありスパイシーな味を持ちます。ジンのスパイシーさを象徴する重要なボタニカルです。
アンジェリカ(ルート)
別名・セイヨウトウキ。セリ科の植物で寒さに強く、寒冷地でも栽培されます。葉っぱの部分がハーブティーなどに使用されることが多いのですが、ジンに使われる場合は根っこ(ルート)の部分が主に使われます。
しばしば、”ジンにドライさを与えるボタニカル”と呼ばれるように、ほろ苦い味が特徴的です。
オレンジピール
ジンのボタニカルとしても使用される柑橘類ですが、主に果皮の部分(ピール)を乾燥させたものが使われます。一般的に、果物の果肉の部分は水分量が多く蒸留する際にかなりの量が必要となるため、柑橘風味がギュッと詰まった果皮の方がその風味を抽出しやすいと言われています。
オレンジピールはジンに使われる柑橘の中でも一二を争う程に多く登場します。
レモンピール
オレンジピールと同様、レモンピールも登場回数が多いボタニカルです。オレンジピールよりもよりキリッとした爽快感のある柑橘風味が特徴です。
オリス(イリス)ルート
ニオイアヤメの根を乾燥させたもの。アーユルヴェーダや香水にも使われる程に香り高いハーブです。ジンはアロマティックな香りを楽しめる蒸留酒ですが、オリスルートによるフローラルな香りもジンの重要な要素の1つですね。
シナモンパーク(セイロンシナモン)
シナモンの一種。シナモンには2種類あり、厳密に言うとスリランカのセイロン島で原産のものが本物のシナモンと呼ばれます。カプチーノに付いてきたり、お菓子の香り付けなどに使われるもので、樹皮が巻いてあり細いストライプ状になっているものですね。
温かくウッディーな香りを持ち繊細な甘さと辛みを感じられ、上品な甘さがとても心地良いボタニカルです。
カシアバーク(カシアシナモン)
もう1種類のシナモンがカシアと呼ばれるものです。世界中に流通するシナモンの90%以上がカシアであると言われており、海外では「シナモン」と言えばカシアがイメージされる程です。セイロンシナモンよりもよりゴツゴツした見た目が特徴的です。
温かくウッディーな香りの方向性は同じですが、より野性的で強い香りを持ち、エッジの効いた辛みとほのかな甘味を持ちます。ジンに使われるシナモンは圧倒的にカシアの方が多いですね。
リコリスルート
マメ科のスペイン甘草の根っこを乾燥させたもの。甘く芳醇なアニス香があり、味に関しても砂糖の20倍と言われる程の甘さを持ちます。
ジンの甘さという要素をつかさどる重要なボタニカルの1つで、多くのジンに使用されています。
ちなみに、赤く美しい花を咲かせる彼岸花も英語ではリコリスという単語で表されますが、こちらは全くの別物で有毒性があり食べることはできませんので、混同しないようにお願いします。
カルダモン
別名スパイスの女王。ショウガ科の植物の一種で、木に1cmくらいの緑色の果実を付け、その中に15-20個くらい詰まっている黒い種子が風味のもとです。青味のあるシャープな爽快感という香りがして、味はスパイシーでありながらほのかな甘味を感じさせます。インドカレーにおいては主要のスパイスであり、フランス料理などにも使用される程香り高いものです。
コリアンダーシードに次いで、ジンにスパイシーさを与える際に使われる頻度の多いボタニカルですね
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