ジャパニーズジンのパイオニアがつくる!!! 新設蒸留所「Motoki蒸研」と『ヤマレスト ジン』のご紹介

ジャパニーズジンの元祖と言われる『季の美』。そして、2022年にリリースされ、瞬く間に世界的な品評会でいくつものゴールドメダルを獲得した『野沢温泉蒸留所』のジン。二つとも日本を代表する様な銘柄ですが、一人の蒸留技師が開発に携わったということを皆さんご存じでしょうか?

その蒸留家の名は「元木ヨイチ」さん。長年お酒業界に従事し蒸留技師や蒸留所建設コンサルタントとして素晴らしいキャリアを持つ人物が、ついに、自身の蒸留所を設立しました!

京都の市中・上京区長門町に居を構えられた蒸留所は、元木さんの名を冠して『Motoki蒸研』と名付けられました。ヨイチさんとケイコさんの元木さんご夫妻、そして息子のコタロウさんの一家により運営されています。

2024年に満を持して、蒸留所初のオリジナルジン『yumarrest industrial GIN ordinary(ヤマレスト インダストリアル ジン オーディナリー:以下・ヤマレストジン)』を完成させました。

今回の記事では、Motoki蒸研とヤマレスト ジンの魅力についてご紹介していきます。

元木ヨイチさん 蒸留技師としての歩み

写真右:元木コタロウさん 写真左:元木ヨイチさん
写真右:元木コタロウさん 写真左:元木ヨイチさん

長年お酒業界に身を置いていたヨイチさんのキャリアは、銀座のバーテンダーから始まりました。世界的なバーテンダーに教えを受け、厳しいプロの世界を肌で感じながら日々努力されたそうです。

30歳になるとスコットランドに渡り、スコッチウイスキーの蒸留所「アラン蒸留所」で蒸留技師として経験を積みます。同時期に、「スプリングバンク蒸留所」や「ザ・スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティー」にも在籍。日本に戻ってからは、お酒の商社である「株式会社ウィスク・イー」に勤務することとなります。

そして、「京都蒸溜所」が手掛ける『季の美』ジンの開発の為に京都に移住し、数多くの試験蒸留の末、ついに2016年、季の美がリリースされる運びとなります。

今でこそ “和” のボタニカルを使用した国産のジンは多数リリースされていますが、それ以前にはそのような発想で生み出されるジンは無く、京都産のボタニカル使用というコンセプトを持った季の美は、日本のジンの歴史を塗り替えた革命的な存在と言えるでしょう!

その後は蒸留所に関わるコンサルティングを行っており、『野沢温泉蒸留所』のジンのレシピの開発にも携わっています。ヨイチさんの開発した野沢温泉蒸留所のジン4種は、世界的なお酒の品評会である「WORLD GIN AWARD」で国内最高賞やゴールド / ブロンズ賞に輝き、「サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション2024(SFWSC)」においては全種が金賞を受賞したりと、前代未聞の快挙を成し遂げています。

ヨイチさんは2023年から自身の蒸留所の設立に着手して、2024年、ついにスピリッツ(蒸留酒)製造免許を取得し蒸留所も完成しました。

Motoki蒸研でヨイチさんと共にジンづくりを行っているのは、息子のコタロウさん。彼は父親と同じお酒づくりの世界に身を置き、野沢温泉蒸留所で蒸留技師として従事してきました。2024年5月からMotoki蒸研に合流し、現在はジン生産の重要な部分を担っています。

Motoki蒸研のこだわり

Motoki蒸研
画像提供:Motoki蒸研

「インダストリアル」であること

そんな元木さん一家によって設立されたMotoki蒸研。建物は長屋の一角をリノベーションしており、趣きが残る建物の外観は残しつつ近代的なラボに生まれ変わっています。

製造方法も近代的で、小規模(マイクロ)蒸留所でありながらも、完璧な業務フローを構築して、高品質で一貫した生産量を維持する「インダストリアル」であることをテーマとしています。その点は、ジンの名前に「インダストリアル・ジン」と銘打っていることからもうかがい知れますね。

一般的な話になりますが、現在流通しているジャパニーズジンは大ざっぱに捉えると、大手メーカーが大量生産するジンと、マイクロ蒸留所によって造られる「クラフト」と呼ばれるようなジンが両極としてあり、様々な規模感でジンが造られています。

特にコンパクトなマイクロ蒸留所で造られるジンは、メーカー自らが「クラフト」と名乗る場合もありますが、Motoki蒸研は手づくりのクラフト感を志向するのではなく、あくまで工業製品として日々のお酒づくりをしながら、企業として大きく成長していくことを目指しています。

ジンづくりの製造フロー

長年の蒸留の経験を持つヨイチさんと、効率化を追求するタイプのコタロウさん。トータルで70〜100回の試作のデータを積み上げ、素材の量、温度管理、作業の時間など、全て緻密に計算されたジンの製造フローを作り上げました。

例えば、液体の量を測る際に温度などの条件によってバラつきが生じるリッター換算ではなく、重さと液体の比重から体積によって正確な数値を算出するという手法を採っているそうです。

そのために、天井に液体の重量を量ることが出来る頑丈なフックの設置、液体の密度計を使用、時計を至る所に設置していたりと、蒸留所内いたるところに業務フローを最適する仕掛けが施されています。また、コンパクトな蒸留スペースゆえにエアコンも設置して、気温の変化による風味にブレが出ることを避けていることも、こだわりがうかがえますね。

その時その時の人間の感覚に頼って製造方法を変えるのではなく、積み上げたデータに基づいて製品を効率的に生産しており、それが「インダストリアル」であるということに繋がっています。

特徴的な蒸留装置

ヤマレスト 蒸留器

蒸留に使われている蒸留器は40年以前の年代もので、釜が銅製でとてもぶ厚く、現代のフォルムとはまた違った魅力を持っています。熱源が直火式であるということもジン製造の場面ではあまり見かけないものですが、蒸留中の火力調整も容易で安定しているとのことです。

この蒸留器は、かつては、岐阜県郡上八幡にあるジンやスピリッツの蒸留所「辰巳蒸留所」に設置してあったものです。辰巳さんの弟子のような存在である、東京「深川蒸留所」が作り上げた「ニューツブロ蒸留器」を辰巳蒸留所に新たに導入するにあたり、こちらの蒸留器を譲り受けたということです。

参考リンク:深川蒸留所の記事はこちらから

ヤマレスト 冷却器

そして、熱せられた香気を含む蒸気を液体に戻す冷却装置も非常に特徴的ですね。この装置は「ワームタブ」と呼ばれるもので、あまりジン製造の場面で見かけるものではありません。水を張ったタンクの中にコイル状の銅製チューブが設置されており、そのチューブの中を熱せられた蒸留液が通ることによって、熱い液体が徐々に冷やされていくという構造です。

一般的な冷却装置とは違い、ゆっくりと時間をかけて液体を冷やすことでスピリッツが香り豊かになり、コイル部分の銅との接触時間が長いことによって不純物を効果的に除去することが可能になります。

ヤマレスト ジンの特徴

『YUMARREST = ヤマレスト』名前の由来とボトルデザイン

ヤマレスト

『ヤマレスト』という名前はとても不思議な語感を持っていますよね。

この単語はヨイチさんによる造語で、その意味は、英語で”美味しい”を意味する「YUMMY = ヤミー」と、”逮捕”を意味する「Arrest = アレスト」をくっつけたもので、通して訳すと「旨すぎて逮捕」ということになります。

ヤマレストシリーズ第一弾のジンは『オーディナリー』と名付けられ、「平凡」や「普通」という意味で、ありふれた日常に溶け込むような繊細で優しいジンを表現しています。

ラベルデザインはポップで、ヨイチさんの好きなチョコミント色を基調としています。ボトルが逮捕されているシーンが描かれており、とてもユニーク。そしてキャップには、ヨーロッパのビールをお手本にしたというスイングキャップを採用しており、こちらもジンのボトルで見かけることは少なく、非常にカッコいいですね。

ヤマレストジン

ジンに使われている素材

ジンのベースとなるスピリッツ(蒸留酒)には、お米由来の「ライススピリッツ」が使用されており、これによってジンが甘くまろやかに仕上がります。

そこに風味付けをするボタニカルは、ジンの必須の素材であるジュニパーベリーを筆頭として10種類で構成。うち8種類は和の楚材を使用しています。

その中でもキーボタニカルとなる「ヒノキ」は、京都京北に生育しているもので、削りたてのアロマティックなものを使用しています。ヨイチさんが試作を重ね、最後の重要な要素が足りないと行き詰っていた時に、コタロウさんのヒノキをメインとした試作品がカッチリとイメージにハマり、メインボタニカルとして採用されました。

そこに、福岡・倉住星渓園の八女茶、桜の葉といった和の素材がふんわり香り、尾道の瀬戸内レモンのフレッシュさによってキリッとした味わいを持ちつつ、山椒が爽やかな余韻が後に残ります。

トータルとして様々な要素のボタニカルがバランスよく香り、和のボタニカルによって日本の季節の移り変わりを感じさせるハーバルなジンに仕上がりました。

ヤマレストジン 発売日は6月8日

ヤマレスト蒸留所

『Motoki蒸研』と『ヤマレスト ジン』のご紹介、いかがでしたでしょうか?ジャパニーズジンの歴史に大きな影響を与え続けるパイオニアが、妥協を許さずつくりあげたジン。ぜひ体験してみてください!

蒸留所初の製品となるヤマレストジンは、世界的なジンの祝祭日「WORLD GIN DAY(ワールドジンデイ)」の2024年6月8日に発売開始。また同日、蒸留スペースと同じ長屋の一角において、ジンのテイスティングもできる直営ショップ「ヤマレストショップ」  もオープンします。気になった方は ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか!

商品はインターネットの公式ショップ「ヤマレストショップ」からも購入できますので、ぜひ覗いてみてください。

そしてMotoki蒸研では、蒸溜所設立のコンサルティング相談(ウイスキー、ジン)、レシピ構築なども行っています。自身の蒸溜所を立ち上げお酒づくりを始めたい企業や個人の方など、ぜひご相談してみてはいかがでしょうか。

また、小ロットからのオリジナルジンの委託製造も請け負っています。飲食店のオリジナルジンやイベントの企画用にジンをつくったりと、様々な場面で活用できるはずです。気になった方は、ヤマレストショップのお問い合わせフォームからコンタクトしてみてください!

Motoki蒸研 公式Instagram : www.instagram.com/motokijoken/

Motoki蒸研 公式Facebook : www.facebook.com/MOTOKIJOKEN

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