埼玉県・大宮市。東北や上越、北陸などの新幹線が乗り入れる関東圏のハブであり、埼玉県最大規模の都市として大いに賑わっている街です。
そんな大宮にとても素敵なバーがあります。
ウイスキーとジンに特化したバー「The Bar Vieux Carre (バー・ビュカレ )」は、とても落ち着いた雰囲気の店内で居心地が良く、最高のカクテルが楽しめるお店。
2023年2月に店名を変更するまでは、「Bar Sazerac(バー・サゼラック)」という店名で、大宮で本格的なカクテルを提供するバーとして人気を集めていました。そして店名変更と同時に、2号店となるバー・ビュカレ 2を新たにオープンしています。
バー・ビュカレ 2はとても面白いコンセプトを持っており、ジンラボ編集部イチオシのバーとしてご紹介させてください。
今回の記事では、オーナーバーテンダーである山下泰裕さんに、バー・ビュカレ 2の魅力について余すことなく語って頂きました。
バーテンダーとしての歩み
最初に、バーテンダーの道へ進んだきっかけからバー・ビュカレ 2の開店まで、山下さんの経歴を教えてもらえますか?
出身は埼玉県の春日部市で、最初は料理人を目指そうとして料理の専門学校に通ってました。それから和食を勉強しに京都に行ったんですが、和食の世界がめちゃくちゃ厳しくて、働いていた所から離職することになりました。その後たまたまなんですがダイニングバーで働くことになり、それがバーテンダーになるきっかけでした。
最初は料理の世界にいたんですね。確かに山下さんのつくるカクテルは、味の組み合わせなど、すごく自由な発想で作られていますね。
そこから3〜4年くらい京都のいろんなバーで務めまして、その間に自分の店を持ちたいと思っていたんですけど、やるんだったら故郷の埼玉だと思い埼玉に戻ってきました。
色々なご縁があって、大宮のバー・アルカサルさんで働かせてもらったり、バーフィンラガンさんで店長をやらせてもらったりして、フィンラガンさんが拡張で建物自体が工事になったのでそのタイミングでお店を辞めて、カクテルワークスさんの上野店で一年働きました。
その後、カクテルワークスで神保町店を立ち上げするという話が出てきました。
カクテルワークスさんの神保町店はジンに特化したバーで、ジン好きの人たちにとっては憧れの場所ですよね!立ち上げ当初からジンのラインナップは多かったんですか?
上野店にも当時からジンは40〜50本くらいはあったんですが、社長の宮澤さんからジンの専門店を神保町に出そうという話が出てきて。
神保町点の立ち上げに関わって店長もやらせてもらいましたが、そこで色々とジンを勉強させてもらったことも大きいですね。
山下さんは知識の豊富さと洗練されたカクテルが素晴らしいと思いますが、名店で修行されてきただけありますね!
ジンについての造詣が深いのも納得です。
The Bar Vieux Carre 2(バー・ビューカレ 2)開店に至るまで
その後、独立されてバー・サゼラックさんを立ち上げていますが、お店をオープンしたのはいつ頃でしょうか?そして、最初からジンとウイスキーを中心に扱うバーだったんでしょうか。
2018年の2月にオープンして、ちょうど5周年になります。
何かしらコンセプトを持ってやりたいとは思っていて、大宮にはジンとウイスキーに特化したバーは見当たらなかったのでその様なコンセプトにしました。
ジンは120本くらいあってローテーションで入れ替わっていくという感じで、ウイスキーは300本くらいあると思います。
本当に素晴らしい品揃えですよね。最初に伺った時はワクワクしました!
そして5周年の節目ということで2号店を出されたんですね。
はい、御縁があって新しい場所で出店できることになりました。現在は、ビュカレ 1はスタッフの渡邊に任せて、わたしはこちらのビュカレ 2の方に立ってます。
コンセプトは「埼玉県ローカル」
ビュカレ 2のコンセプトを教えてもらえますか?
埼玉県で造られたお酒をピックアップして、ここでしか飲めないオリジナルカクテルを楽しんでもらおうというコンセプトにしています。
それは素晴らしいですね。
意外と、ローカルのお酒だけに特化したバーというのはあるようでないと思います。
色々な生産者の方と会ったり蒸留所にも足を運んだりしているうちに、すごく埼玉って面白いなと思いまして。
一店舗目でもそういうコンセプトのことは少しやっていたんですが、次のお店をやる時には更に強くそのコンセプトを推し進めていこうと思いました。
地元の生産者の方と色々と繋がりがあるのは素敵ですね。ラインアップにはどのようなお酒があるんですか?
ウイスキーはイチローズモルト、棘玉ジン、ディアレッドフィールドさんのミード(蜂蜜酒)。日本酒の花陽浴(はなあび)、ビールは麦雑穀工房、秩父麦酒、COEDOさんなどですね。それと、埼玉県にはワイナリーが少ないのですが、兎田ワイナリーさんのワインも置いています。
本当に埼玉県のお酒に特化しているんですね。
メニューを見てみると、おつまみも埼玉県産のものを扱っているようですね。
はい。お酒と同じようにフードも埼玉県産のものを置いています。生産者の方も飲みに来てくれたりするので、とてもありがたいですね。
お互いに良い関係を作っているということですね!素晴らしいと思います。
絶品カクテルの数々
山下さんと言えば、バー・サゼラック時代からカクテルの達人というイメージがあります。
色々なお酒をベースとしたカクテルが楽しめるのですが、私たちジンラボはジンを専門にテーマに扱うため、山下さんの作るジンカクテルに焦点を当てました。
山下さんの作るカクテルは、個性の強いクラフトジンを使いその特性を活かした、自由な発想のものばかりですよね。
カクテルワークスさんにいたことも大きかったですね。スタッフも多くて刺激を頂ける人が多く、カクテルコンペに出たりして、周りと切磋琢磨する環境にいたということがとても良かったです。
確かに、カクテルワークスさんと言えばバーテンダーさん達がカクテルコンペの常連で、常に上位入賞しているイメージですね。そんな環境にいたことはとても強みになっていますね。
そして料理を学ばれたことも大きかったですよね。
そうですね。味の組み立て方や、足し算引き算など、カクテルと料理は通じるところもとても多くて、本当に料理はやってて良かったと思います。
本当にシンプルそうに見えて奥が深いカクテルを作られていると思います。
では、人気のジンベースのカクテルをオーダーさせてください。
ジンの飲み方についての解説記事はこちら→ジンの飲み方
埼玉県産はちみつの最高なビーズニーズ
埼玉県産のクラフトジンと言えば『棘玉ジン』。同じ埼玉県にある秩父蒸留所から譲り受けた樽で熟成した『カスクシリーズ』のジンもリリースしています。
その樽熟成のジンをベースにレモンと川越産のはちみつを加えて作られたビーズニーズは人気のカクテルとのことです。
このカクテルの持つ一般的なイメージとは違って、棘玉ジンの最大の個性である強いジュニパーベリーの風味を活かしつつ、樽熟成ならではのまろやかさをもった最高の逸品に仕上げられてます。
ストロベリージン × ほうじ茶みるくのホットカクテル
自家製のストロベリージンと川越のほうじ茶を合わせたホットカクテル。まろやかで甘味があるデザートカクテルながらも、ほうじ茶の香ばしさも感じられ、奥行きのある味に仕上がっています。
さすがは料理の道を歩まれてきた経歴があり、いちごとほうじ茶を合わせるという自由な発想が素晴らしいと感じました!
5周年記念でつくられた LEAF WASABI GIN(リーフ・ワサビ・ジン)もすごい!
1年ごとに周年ボトルをつくるバー・ビュカレ。5周年となる今年は、埼玉県産の葉ワサビをキーボタニカルとしたフレッシュさ全開のジンがリリースされました。
葉ワサビの他にも、ジンの必須ボタニカルであるジュニパーベリーから始まり、コリアンダーシード、シナモン、アンジェリカ、リコリス、アニスシード、紫蘇、ベルガモットピール、生姜と10種類のボタニカルを使用して作り上げられています。
サゼラックさん時代から、毎年、周年ボトルをリリースされてますよね。いつも美味しいものばかりで現在では入手できないのが悔やまれます。
ありがとうございます。
色々その時の状況を思い出せるし、何か記念に残したいと思いまして周年ボトルは毎年つくっています。
棘玉ジンさんの所で3倍ジュニパーベリーのジンをつくってもらったり、スコットランドのドーノッホ蒸溜所でつくってもらったりしました。
毎回豪華ですよね。今回のLEAF WASABI GINはどのような経緯で誕生したのでしょうか?
埼玉県産の素材を使ってジンを作りたいと思いまして、佐賀のスティルダム(クラフトジンをつくる楠乃花蒸溜所)さんが少量バッチで柔軟に対応して委託蒸留をしてくださるので、ジンづくりを頼みました。
埼玉県で葉ワサビを作っている会社さんもよく飲みに来てもらえるんですが、葉ワサビを使ったジンは今のところ無いんじゃないかと思い、ご相談したら、是非やってくださいということで話が進みました。
恐らく葉ワサビを使ったジンは他には存在しないんじゃないでしょうか。
確かにそうですね。私たちも見たことがないです。
他のボタニカルについては、結構ジンの王道的な組み合わせでとてもバランスが取れているなーと思いましたが、それらについても山下さんが選定されたんですか?
他のボタニカルについてはスティルダムの和田さんが選定してくれました。やはりジンづくりの骨格を大事に考えてくれる方なので、そういう組み合わせによってジンに深みが出てくるんだなーと思いました。
確かに葉ワサビを強く感じさせながらも、ジンとしての厚みがある味ですね。
とは言っても葉ワサビがとても鮮烈なので相当の量を使っているのではないでしょうか?
葉ワサビは18kgくらいですね。最初の段階では少な目にしていたんですが、最終的には大量に使うことになりました。
18kgはすごいですね!これは材料も含めて前代未聞なジンに仕上がってますね。しかし、単なる個性派というだけにはならず、きちんと美味しいジンであるというのが流石だと思いました。
まとめ
大宮の名店・The Bar Vieux Carre 2 のご紹介、いかがでしたでしょうか。
バーの雰囲気も穏やかで、しっとりとした時間を過ごせる素晴らしい空間になっています。
イチローズモルトや棘玉ジンをはじめとする埼玉県産のお酒を楽しむのも良し。山下さんの作る絶品のカクテルに舌鼓を打つも良し。ぜひ一度は足を運んで頂きたいバーです。
リーフ・ワサビ・ジンもかなり挑戦的で鮮烈な風味を持つ、未だかつてない味わいのジンです!バー・ビュカレ1 & 2で飲めますので、ぜひトライしてみてください!
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