どこにでもいるジンフリーク。 ベルギージン推しの甘党。宅飲みもBar巡りも大好き。ジンをストレートで飲む楽しさを日々布教中!Twitter
皆さんこんにちは。ゲストライターのジンラバです。
昨今クラフトジンには実に様々なボタニカルが使われていますね。
ですが多種多様なジンの味わいに対して、ジンの「フレーバーチャート」はウイスキー等と比べても明確には定まっておらず、フレーバーチャートについて取り扱っている書籍なども未だ少ないのが現状です。
しかし、それは逆に個人の味覚や価値観で自由に考えられる余地が大きいという事でもあり、それもまたジンという「風味の幅がとても広い酒」の面白いところだと思います。
今回から私はそんなジンのフレーバーチャートに沿って、それぞれの風味ではどんなジンがあるのか、同じ方向性のジンの中でもどういった違いがあるのかをご紹介していきます。
第一回目として非常に多くのファンがいる「フローラル」なジンをまとめてみました!
なおフレーバーチャートは私が以前執筆しました「ジンストレートのススメ」にありますフローチャートを使用します。
もちろんトニックやソーダで割る場合でも大きく逸れることはないと思いますのでご安心ください。
“フローラル”を感じられるジン
サイレントプール
その圧倒的な香りから飲む香水とも喩えられるフローラル系の代表的なジンです。
イギリスのサイレントプール湖畔で作られており、ボトルのデザイン性の高さもとても秀逸。
エルダーフラワーやラベンダー、ローズペタル、カモミールなど複数の花をボタニカルとして使用しており、フローラル系のフレーバーを飲み進めるならば絶対に外せない一本ですね。
ジェネラス
フランス産の高級感のあるジンで、こちらも香水のように香り高いジャスミンが使われています。
また風味は華やかながらも本質は複雑であり、そのギャップを楽しめるのも魅力の一つです。
スタンダード以外にも三つのシリーズが展開されていて、スミレなどが使われているアジュールもオススメですよ。
クローバー
私が熱烈に推しているベルギーのジンですね(笑)。
キーボタニカルは名前にもなっているクローバー(シロツメクサ)で、非常に柔らかく甘やかな風味が特徴的なジンです。
他のラインナップとしてはラッキー4などがあります。こちらはベルガモットとグリーンティーの風味が心地良いこれまた素晴らしい一本となっています。
エギュベル
フランスの修道院で作られている伝統あるジンです。
キーボタニカルはカモミール。ですがジュニパーとのバランスがとても良く、柔らかさと爽やかさが見事に両立しています。
お値段の方が他のジンよりやや控えめなので、その点から見てもジン初心者が最初に買う一本としてもオススメ。
アクアヴェルディ
リンドウやニワトコの花、マロウブルーなど少し珍しい植物を使用したイタリアのジン。
華麗なだけでなくややハーバルなニュアンスもあるフローラル感で、ストレートで飲むにもかなり向いている銘柄です。
持て余しがちで高価な1Lボトルもバーで飲んでみるならば問題ありませんね。
ここからは、”フローラル”な様々なボタニカルに標準を当て、いくつかの銘柄を紹介していきます。
エルダーフラワーを使用した銘柄
フローラル系のジンにおいて特に人気が高くよく使用されるボタニカルの一つがエルダーフラワーです。
華やかさだけでなく青さや甘さに優しい風味など複雑みがあり、多くの人がエルダーフラワーを使ったジンに魅了されています。
実はサイレントプールやクローバーにもエルダーフラワーは使われています。しかし、以下に挙げるジンは特にキーボタニカルとして使っている上に、味わいの主体としても現れているジンになります。
同じボタニカルを選んでいてもその表し方や他の要素との絡み合いで香りが全然変わってくるのはジンのとても面白い点ですね。
ハチオウジン
今や日本が世界に誇るTOKYOクラフトジンです。
スタンダードアイテムとなるクラシックにもエルダーフラワーは使われていますが、なんとそれとは別に「ハチオウジンエルダーフラワー」という名前にまで冠したジンが存在します。
爽やかで飲みやすい上に度数も控えめなので、ジンを飲み始めたばかりの方にも是非オススメな一本ですよ。
ダーンレイズ
イギリスはローランドよりやってきた個人的にも推しなジンです。
フローラル系のボタニカルはエルダーフラワーのみで、その他のボタニカルも少数かつジンとしては極めて一般的なものという硬派なタイプ。
今回ご紹介している他のジンと比べるとややマイナーかもしれませんが知名度と美味しさは無関係。むしろ驚きの一本に出くわした時の方が喜びは大きいですね。
ノッキーンヒルズエルダーフラワー
こちらもイギリス産のジンですが特徴的なのはその青々しくドライな風味。
エルダーフラワーの別な側面を引き出している珍しいジンで、フローラルなボタニカルを使ってここまで香りや甘みを抑えているものはなかなか無いでしょう。
もう一つラインナップとしてヘザーを中心にしたものがあり、そちらは花系の取っ付きやすさを主体としているので少し飲みやすめです。
薔薇(ローズ)を使用した銘柄
ボタニカルに使われる花として真っ先に浮かぶ人も多い薔薇(ローズ)。これはヘンドリックスの偉大な功績ですね。
ですがこのローズはボタニカルとして曲者で、一般的な薔薇の香りをイメージして飲むと意外とそこまでクッキリしているわけではありません。
以下にはその中でも比較的ローズを感じ取りやすいジンを揃えてご紹介します。
クラフターズアロマティックフラワー
エストニア産という聞き馴染みの薄いジンながらもジン好きの注目度が高い銘柄です。
薔薇が咲いた後の実であるローズヒップをキーボタニカルとしています。もちろんローズも使われていますよ。
まさしくアロマティックでリッチ&ジューシーな風味に虜になる人も多い一本です。
サイレントプールローズエクスプレッション
サイレントプールでもう一本選出させていただきます。
なるべくリミテッドエディション等ではないものを選んでいますが、こちらはまだ出会える機会が多い方かと思いますので。
その名の通りローズを主体としており、ただでさえ香り高いサイレントプールがさらに昇華された渾身のクオリティです。
他のフラワーボタニカルを減らして一つに着目することで風味がどう変わるか、スタンダード版と飲み比べてみるのもすごく面白いですよ。
グレンダロッホローズ
アイルランドのジンであるグレンダロッホから発売されているシリーズの一つです。
こちらは野生種と古代種を含めた三種類ものバラを使っているというこだわりの一本。
ジン自体もピンク色に色付いており見た目から楽しめると同時に、よりキーボタニカルのローズを感じ取りやすくなっています。
ラベンダーを使用した銘柄
その香り高さから根強い人気のあるラベンダー。ジンのボタニカルとして用いてもその鮮烈な香りは存分に発揮されます。
一方で風味が強過ぎるため人を選ぶボタニカルでもあり、どこまで主張させるか作り手の拘りがハッキリと現れるボタニカルでもあります。
優しい方から鮮烈な方へと徐々に進んでご紹介していきますので是非ともご自身の好みを見つけて下さいね。
サトラーズ
アメリカからオーガニック原料の自然な風味に注目して作られたジンです。
柔らかくクリアな飲み口が特徴で、ラベンダーに苦手意識を持っている人にも試してもらいたい一本ですよ。
バーテンダーの意見も取り入れて開発されオーナーが丁寧に手作りしているバックストーリーもユニーク。
コッツウォルズ
フローラル系の中でも人気、知名度共にかなり高いイギリス産のジンです。
通常のロンドンドライジンの約十倍ものボタニカルを使用しており、ラベンダーの華やかさだけでなく柑橘やスパイシーな土っぽさなど複雑な味わい。
香りが強いフローラル系ジンがどの辺りまで自分に馴染むか基準にしてもいいボトルです。
歌川ジン
日本にもラベンダーを使ったジンがあります。群馬県産の歌川ジンは数あるラベンダーをキーボタニカルとしたものの中でも特にその風味が力強いジンですね。
正直言って好みが二分するタイプではありますが、この香りが好きな方にはきっと堪らない一本としてハマると思います。
他にもohoroやCOMMON、深川粒露など日本ではラベンダーを使ったジンがいくつも作られています。
ただリミテッドエディション等ではなくスタンダードとして販売し、かつキーボタニカルとしてこれほど強くラベンダーを出しているのはかなり特徴的です。
おわりに
多種多様な「フローラル」なジンの数々、いかがだったでしょうか?
漠然とフローラルと言ってもそのボタニカルや味わいはジンごとに大きく異なっています。
こうして比べてみることで一部共通する点や相違点を改めて考えていただければ、これからのジン選びにもきっと役立つと思います。
この記事で皆さんの気になるジンが一つでも見つかれば幸いです。
次回は「フルーティー」に注目してジンをご紹介していきますのでお楽しみに!
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